石とMSX松本丈樹ローテク製作記
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篆刻をする石は何にしましょうかということで、まずは巴林石から。えー、巴林石がどういう石なのかは各自ネットで検索して下さい。なにしろ書いてる本人がよく分かってないのですから。まー産地とかはどうでもいいですし。
一口に篆刻と言っても、別に石の印鑑の事を指すわけではないので、彫る素材も色々あるわけです。木とか骨とか陶器だとか。ではデタラメ篆刻講座としては、どの素材を推奨するのかというと、やっぱり石なのです。普通じゃんと言うことなかれ。いや、別に普通でも良いのですが、今、篆刻といえば大抵は石を彫ったものです。まあどっかの鶴太郎とかいうお笑いを捨てた人はゴム印を落款に使っていましたが、まあ普通ある程度知識があって、真面目な方なら石の印を使っているはずです。これがまあ、篆刻の常識ということになりますから、”篆刻風”を自称する我が講座は、それを率先してパクっていこうという高潔な志なわけです。下手に別の素材を使っちゃうとオリジナリティが出ちゃって、なんか主張してるみたいで恥ずかしいでしょ。デタラメ篆刻講座に必要なものは、所詮自分のしてる事はニセモノであっしは下賎の者でゲス、という卑屈な心がけです。自分が篆刻を始めようが辞めようが、世界は1ミリも変わらないのですよね。で、どんな石を使うかは後日。
今回は参考文献を紹介。篆刻の入門書というのは結構少ないです。まあ最近じゃあほとんど、今から篆刻始めようなんて人が少ないからですけど。あと篆刻入門といったって、一冊の本になるほど技術的に蓄積されたものがあるのか疑問ですし。なんて無駄に毒吐くのはこれくらいにして、デタラメ篆刻講座と題してる文章の中で紹介するのは大変失礼なのですが、『印章篆刻の栞』(水野恵著 芸艸堂)をお勧めしたいです。この本、篆刻家が書いてるのではなく、いわゆるハンコ屋さんが書いているところがポイントです。つまり篆刻の入門書ではなく、ハンコ全般の入門書なのです。「篆刻=芸術=上、ハンコ=日用品=下」という根拠のない認識を取っ払い、そもそもハンコとは何ぞや、石はハンコの素材としては向いてないのではないか、なんで書画に篆刻を押すのか知ってて押してます?という篆刻の地盤を揺るがしまくる内容。そして芸術という一部の人間の気分に依拠した解説ではなく、徹底的にハンコを彫る技術のみを重点的に解説しまくりです。これは役に立つ。ただし篆刻はやりたくなくなるかもしれませんが。
そもそも、何を極めようとするにしても、とりあえずは技術を徹底的に習うべきだと私は思うのですよ。宇宙だなんだは、技術に一度振りきって、これ以上技術的に前に進むことができねー、ってくらいに行き詰った時に初めてそっちの世界に入れるじゃないんですかね。どうもこの世界は、技術を軽視するのが芸術的だなんて勘違いしてるように思うのですよ。まあ、外から判断できない基準を規定しちゃえば、自分の立ち位置を守れると思うからでしょうが。と、デタラメな私が思ったところで世界になんら変化無し。それで良し。それが普通。街のハンコ屋さんバンザーイ。
篆刻は芸術です。立派なものです。東洋芸術においては書や画と並ぶ重要なものなのです。だからとっても難しいこと勉強しないといけませんし、非常にとっつきにくいです。篆刻の名品とか見ても、初心者には何が良いのかさっぱりわかりません。他のとっつきにくいようなものと同じです。普通の印鑑とはえらい違いです。
篆刻は中国漢代の印を手本とすべしとされています。根拠はきっとありません。そういうものなのです。他の芸術や文学と一緒です。篆刻は方寸に宇宙を表現するとか言われます。でも、芸術以外のもの、たとえば豆腐には宇宙を表現できないとは限りません。ただ、宇宙を表現するよりも、おいしく食べてほしいことを優先しているだけです。どちらも上ではありません。ただ豆腐屋さんは、こっちが高尚だ、上だ、などとは主張しません。時に素晴らしく美味しい豆腐は、宇宙を垣間見ることができます。 しかし、篆刻の世界の中では、私たちにとって理解不能な部分こそが全てです。それに命をかけているのです。篆刻にはたくさんの約束事がありますが、それを一度は丸ごと飲み込まないと、篆刻をする資格は得られません。”ちゃんとした”先生に師事しなければ、篆刻ではなく、ただの石の印鑑彫りとしか認められません。
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